離婚協議書
離婚とはただ単に「離婚届」を役所に提出して完了ではありません。
一時の感情に流されて相手に「離婚届」を叩きつけ、すぐに役所に提出?
そんな拙著な行動を後で後悔することも多いのです。
離婚では
養育費
面会交流
慰謝料
財産分与
などなどたくさん夫婦で話し合ってきちんと決めておかないといけないことがたくさんあります。
その話し合いの内容をきちんと残しておくのが離婚協議書なのです。

離婚協議書の雛形テンプレートのサンプルとダウンロード

離婚協議書と言われてもなかなかイメージできないと思います。
ですので、ここでは離婚協議書のサンプル文例をご紹介いたします。
離婚協議書には決まった決まった形式は無くあくまで双方が合意した内容が記載されていればOKですが雛形テンプレートがあれば参考になると思います。

離婚協議書の雛形テンプレート

               離婚協議書

 夫○○○○(以下「甲」という)と、妻△△△△(以下「乙」という)とは、協議した結果、下記の通り合意し、その証として本協議書を2通作成し、甲乙各1通ずつ保有する。

                  記

第1条 (離婚の合意)
甲と乙は協議離婚することに合意し、協議離婚届出用紙に署名押印し甲(または乙)にそれを託し甲(または乙)が令和◎年◎月◎日までに届け出をする。

第2条 (親権者及び監護権者)
甲乙間に生まれた未成年の子である長男▲▲▲▲(平成○○年○月○日生、以下「丙」)、次男▲▲▲▲(平成○○年○月○日、以下「丁」)、及び長女▲▲▲▲(平成○○年○月○日、以下「戊」)の親権者を乙と定め、丙、丁、及び戊の監護権者となり、それぞれが成年に達するまで、これを引き取り養護する。

第3条 (養育費)
甲は乙に対し丙の養育費として令和○○年○月から令和○○年○月まで、毎月末日限り金○万円を、丁の養育費として令和○○年○月から丁が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金○万円を、戊の養育費として令和○○年○月から戊が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金○万円の合計金○○万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。
2 振込手数料は甲の負担とする。
3 甲乙は、上記に定めるほか、丙、丁、及び戊に関し、入学や入院等、特別な費用を要する場合は、互いに誠実に協議して分担額を定める。
4 上記養育費は、物価の変動その他の事情の変更に応じて甲乙協議の上増減できる。

第4条 (財産分与)
甲(または乙)は乙(または甲)に対し、財産分与として金○○○万円を支払う義務があることを認め、離婚成立の日が属する月の翌月末日限り、一括して乙に支払う。支払い方法は、乙の指定する金融機関の口座に振込送金の方法により支払う。但し、当該金融機関が休日の場合は翌営業日とし、その支払いに関する費用は、甲が負担するものとする。
2 甲及び乙は、離婚成立当時、各自が所有する動産等を各々取得するものとする。家財道具、その他日用品等は適宜その取得を協議する。
3 甲と乙が所有する下記記載の物件につき、離婚後は乙が居住するものとし、乙の居住に当り残住宅ローンについては甲が○万円、乙が○万円をそれぞれ毎月負担する。本物件にかかる租税公課その他の一切の費用は乙が負担する。

<不動産の表示>
(登記事項証明書の記載通りに)



第5条 (扶養的財産分与)
甲は乙に対し、乙の生活が安定するまでの○か月分の生活費として月金○万円の支払い義務があることを認め、令和○○年○月から○月まで、毎月末日限り金○万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。



第6条 (年金分割)
甲(第一号改定者)と、乙(第二号改定者)とは、日本年金機構理事長に対し対象期間にかかる被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合を0.5とする旨合意した。
(当事者双方は、年金分割事件の申し立てをしない)」
甲(昭和○○年○月○日生)(基礎年金番号 ○○-○○○○○)
乙(昭和○○年○月○日生)(基礎年金番号 ○○-○○○○○)



第7条 (慰謝料)
甲は乙に対し、本件離婚に伴う慰謝料として金○○○万円を支払う義務があることを認め、下記支払方法の表示のとおり分割し、本件離婚の成立日の属する月からその支払いが終了するまでの期間(全◎◎回に亘り)、毎月末日限り乙の指定する金融機関の口座に振込送金の方法により下記の方法により支払う。但し、 当該金融機関が休日の場合は翌営業日とし、その支払に関する費用は、甲が負担するものとする。
<支払い方法の表示>
第1回目   金◎万円
第2回目以降 金▲万円

または
甲及び乙は本件離婚に関して慰謝料が発生しないことを合意した。



第8条 (面会交流)
乙は、甲と丙及び丁、戊が月に○回(程度)面会交流することを認める。面会交流の日時、場所、方法については子の福祉を害することがないようにその都度甲乙協議して定める。



第9条 (連絡)
甲及び乙は、互いの連絡先(住所、居住等)を変更したときは遅滞なく相手方にこれを通知し面会交流の支障のないようにするものとする。



第10条 (裁判管轄)
本協議書から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を乙の住所地を管轄する裁判所をもって合意管轄とする。



第11条 (清算条項)
甲及び乙は、本件離婚に関し、本協議書に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認し、上記各条項のほか、名義の如何を問わず、金銭その他の請求をしない。



第12条 (強制執行認諾約款付公正証書)
甲及び乙は、本合意につき、強制執行認諾約款付公正証書を作成することを合意し、相互に公正証書手続きに協力する。



本書の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名押印の上、各自1通を保有する。

 令和○○年○○月○○日     

          (甲)  住所

               氏名                  印

          (乙)  住所

               氏名                  印

離婚協議書テンプレートダウンロードはこちら(wordファイル)

では、ここからは重要なポイントについて簡単に解説してまいります。

「離婚の合意」についての離婚協議書の書き方

第1条 (離婚の合意)
甲と乙は協議離婚することに合意し、協議離婚届出用紙に署名押印し甲(または乙)にそれを託し甲(または乙)が令和◎年◎月◎日までに届け出をする。

離婚届提出時期まで記載することもあります。
離婚の手続きはあくまで届出主義が採用されています。
ですから離婚届が役所に提出されるまで離婚は成立していないことになります。
婚姻届と異なり、夫婦そろって役所に出向いて離婚届を提出するというよりは夫または妻のどちらかに離婚届を預けて提出ということも多いっでしょう。
そのため離婚協議書に「離婚届の提出時期」について記載しておくのもよいでしょう。
ただし、これには強制力がなく最終的には届け出をする夫婦双方の意思に委ねられてしまいます。
公正証書の完了時期なども考慮して離婚届提出日時を決めておく必要があることもあります。

「親権者・監護権者」について離婚協議書の書き方

第2条 (親権者及び監護権者)
甲乙間に生まれた未成年の子である長男▲▲▲▲(平成○○年○月○日生、以下「丙」)、長女▲▲▲▲(平成○○年○月○日、以下「丁」)、及び次男▲▲▲▲(平成○○年○月○日、以下「戊」)の親権者を乙と定め、丙、丁、及び戊の監護権者となり、それぞれが成年に達するまで、これを引き取り養護する。

離婚届にも記載する欄が設けられていますが、離婚する夫婦に未成年の子供がいる場合には「親権者」を決めなければいけません。
子供の親権者とは別に監護権者というものあります。
・親権者・・・子供の財産管理をする者
・監護権者・・子供と一緒に暮らし鵜子供の身の回りの世話やしつけ(身上監護)をする者
一般的には親権者と監護権者は同じ者がなることが多いですが
子供のお金のことは夫がする。(親権者)
子供の身の回りの世話は妻がする(監護権者)
という風に分けることも可能です。

「養育費」についての離婚協議書の書き方。

第3条 (養育費)
甲は乙に対し丙の養育費として令和○○年○月から令和○○年○月まで、毎月末日限り金○万円を、丁の養育費として令和○○年○月から丁が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金○万円を、戊の養育費として令和○○年○月から戊が成年に達する日の属する月まで、毎月末日限り金○万円の合計金○○万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う。
2 振込手数料は甲の負担とする。
3 甲乙は、上記に定めるほか、丙、丁、及び戊に関し、入学や入院等、特別な費用を要する場合は、互いに誠実に協議して分担額を定める。
4 上記養育費は、物価の変動その他の事情の変更に応じて甲乙協議の上増減できる。

離婚後において養育費に関するトラブルは少なくありません。
細かいところまでしっかりと話し合って決めないといけない大変重要な項目です。

後でもご説明しまうが、夫が養育費を払わなくなった場合には、単なる離婚協議書だけでは強制力はありません。
養育費不払いの調停を家庭裁判所に申し立てて初めて強制嗜好などが可能になります。
そこで、強制執行認諾付公正証書で離婚協議書を作成しておけば強制執行が可能になります。

参考:離婚後養育費を払わない元夫が多い!その時の元妻のとるべき対策とは
参考:離婚の養育費まとめ|相場?なし?払わない?いつまで?再婚したら?

「財産分与」についての離婚協議書の書き方

第4条 (財産分与)
甲(または乙)は乙(または甲)に対し、財産分与として金○○○万円を支払う義務があることを認め、離婚成立の日が属する月の翌月末日限り、一括して乙に支払う。支払い方法は、乙の指定する金融機関の口座に振込送金の方法により支払う。但し、当該金融機関が休日の場合は翌営業日とし、その支払いに関する費用は、甲が負担するものとする。
2 甲及び乙は、離婚成立当時、各自が所有する動産等を各々取得するものとする。家財道具、その他日用品等は適宜その取得を協議する。
3 甲と乙が所有する下記記載の物件につき、離婚後は乙が居住するものとし、乙の居住に当り残住宅ローンについては甲が○万円、乙が○万円をそれぞれ毎月負担する。本物件にかかる租税公課その他の一切の費用は乙が負担する。

婚姻期間中に築き上げた財産は夫婦共同財産とされて離婚時には双方半分ずつ清算とされます。
ただし、相続によって得た財産や婚姻前から所有していた財産、夫婦の協力とは関係ない一方が所有する財産は対象外となります。

不動産が財産分与の対象となる場合には必ず登記簿記載の表示(地番・家屋番号)で記載しないと物件が特定できませんのでご注意ください。

問題となるのが住宅ローンが残っているマイホームなどの不動産

現預金や価値のわかりやすい有価証券などであれば財産分与なども簡単なのですが、問題にあるのがマイホームなどの不動産です。
不動産は市場価値もわかりにくく住宅ローンなどの負債が残ったままのケースも多いのです。
妻がそのまま今の家に住み続ける場合も少なくなく、その場合に残っている住宅ローンを誰が?いくら返済していく?かもきちんと決めておかなければいけません。

住宅ローンが残っている不動産を財産分与で名義変更する場合には銀行など抵当権者の承諾が必要であり夫婦で勝手に決めることはできません。
また離婚後に住宅ローンを滞納する夫も少なからずいるのです。
そんな場合には差押・競売にまで至るケースもあり、住み続けている元妻たち家族はいきなり路頭に迷うことになります。

参考:離婚後の住宅ローンはどうする?連帯債務・借り換え・妻が住む・売却

財産分与が請求できるのは離婚後2年間まで

財産分与を請求できるのは離婚後2年間までです。
これを経過すると離婚による財産分与を相手方に請求できないことも知っておいてください。

「年金分割」についての離婚協議書の書き方

第6条 (年金分割)
甲(第一号改定者)と、乙(第二号改定者)とは、日本年金機構理事長に対し対象期間にかかる被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合を0.5とする旨合意した。
(当事者双方は、年金分割事件の申し立てをしない)」
甲(昭和○○年○月○日生)(基礎年金番号 ○○-○○○○○)
乙(昭和○○年○月○日生)(基礎年金番号 ○○-○○○○○)

離婚によっって年金も分割することができます。
ただし、きちんと年金事務所(日本年金機構)に「分割改定請求」の手続きが必要です。
※年金分割は「厚生年金」「共済年金」のみで「国民年金」は分割されません。

年金分割割合の取り決め

平成20年3月31日以前の分においては年金分割割合を定めた合意書が必要です。(合意分割制度)
平成20年4月1日以降においては自動的に夫婦がそれぞれ50%の割合で分割可能で合意書は不要です。(3号分割制度)
年金事務所に備え付けの「年金分割合意書」がありますから、それを利用すれば簡単です。
・当事者それぞれの氏名、生年月日、基礎年金番号 
・年金分割することについて合意した旨
・合意によって決まった分割割合(一般的には半分ずつ)

なお、年金分割の手続きには夫婦双方の年金事務所へ出向く必要です。
どちらか一方だけで手続きの場合にはやはり公正証書で作成した離婚協議書の年金分割の合意部分の抄本を公証役場で発行してもらえば大丈夫です。
このあたりは、直接年金事務所に確認する必要があります。

慰謝料についての離婚協議書の書き方

第7条 (慰謝料)
甲は乙に対し、本件離婚に伴う慰謝料として金○○○万円を支払う義務があることを認め、下記支払方法の表示のとおり分割し、本件離婚の成立日の属する月からその支払いが終了するまでの期間(全◎◎回に亘り)、毎月末日限り乙の指定する金融機関の口座に振込送金の方法により下記の方法により支払う。但し、 当該金融機関が休日の場合は翌営業日とし、その支払に関する費用は、甲が負担するものとする。
<支払い方法の表示>
第1回目   金◎万円
第2回目以降 金▲万円

または
甲及び乙は本件離婚に関して慰謝料が発生しないことを合意した。

慰謝料についてはできれば一括で支払われることがベストではありますが、それが困難な場合はやはりある程度歩み寄らなければいけないこともあります。
その場合は分割による慰謝料の支払いを認めることもあります。
月々の慰謝料の分割支払いが滞った場合に備え、やはり強制力のある強制執行認諾付公正証書がベターです。

また、双方合意で「慰謝料なし」のりっこんの場合は慰謝料がなことを明記しておくことをお勧めします。

慰謝料が請求できるのは離婚後3年間まで

財産分与と同じく離婚の慰謝料にも請求できる期間の制限があります。
離婚の慰謝料請求については離婚後3年間までとされています。

面会交流についての離婚協議書の書き方

第8条 (面会交流)
乙は、甲と丙及び丁、戊が月に○回(程度)面会交流することを認める。面会交流の日時、場所、方法については子の福祉を害することがないようにその都度甲乙協議して定める。

離婚し子供と離れて暮らすことになった相手方が定期的に子供と面会することについて予め決めておきます。
離婚届にもこのことについて記載する欄があります。

養育費をもらわない代わりに子供との面会交流を一切拒む妻も多いですが、今の世の流れとしてはやはり面会交流を拒むことは少し難しくなってきていることも知っておいてくださいね。

「もう一切関わりたくない!」という親の事情や理由もわかりますが、やはり子供の福祉的観点からはある程度は認めざる負えないかもしれません。

「連絡通知義務」についての離婚協議書の書き方

第9条 (連絡)
甲及び乙は、互いの連絡先(住所、居住等)を変更したときは遅滞なく相手方にこれを通知し面会交流の支障のないようにするものとする。

離婚後も「養育費」「面会交流」など相手方と話し合う必要が起こる場合もあります。
そんな時に備え、互いに相手の住所や連絡先(電話番号など)が変わった場合には速やかに相手に通知することを離婚協議書に書いておくことが多いです。
ただし子供が成人すれば後は子供の意思ですので子供の成人までとする期限の設定する場合もあります。

清算条項についての離婚教書の書き方

第11条 (清算条項)
甲及び乙は、本件離婚に関し、本協議書に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認し、上記各条項のほか、名義の如何を問わず、金銭その他の請求をしない。

離婚がきちんと成立したのに後々お金のことでもめることがあります。
きちんと離婚について双方きちんと話し合い、以後なんら金銭の請求をしないことを取り決める条項です。
ですから本当に離婚後請求すべき金銭がないか?しっかりと調査する必要があります。

「強制執行認諾約款付公正証書」についての離婚協議書の書き方

第12条 (強制執行認諾約款付公正証書)
甲及び乙は、本合意につき、強制執行認諾約款付公正証書を作成することを合意し、相互に公正証書手続きに協力する。

残念ながらどれだけきちんと離婚協議書を互いに話し合って作成してもそれだけで強制力はありません。
強制執行など強制力を得るには調停など家庭裁判所に申し立てなければいけないのです。
この「調停」という過程を経ずに強制執行するには「強制執行認諾約款付公正証書」を作成する必要があります。
このことを互いに取り決める条項です。

まとめ

あくまでこちらでダウンロードした離婚協議書はたたき台にして夫婦で離婚について話し合ってください。
できれば、たたき台を作成した後、弁護士・司法書士など法律の専門家等にチェックを依頼してもらうことをお勧めします。
離婚協議書ならそれほど大きな費用を請求されないと思います。(数万円程度)

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